
シスをとることが必要になるということである。それは、たとえば従来の施設の役割だけではなく、地域住民の生涯学習に関するさまざまな要求に応える機能を備えることが求められるということである。
?A指導者の養成
地域の中核となるうえで重要なことは、その地域の青少年教育施設や青少年教育団体などの指導者の養成・研修への援助である。実際、青年の家がいかに先導的な事業を行ったり、さまざまな改善を行ったりしても、それを活用する側がいなければ絵にかいた餅である。地域の核になるような指導者の養成を援助してこそ、地域に頼られる施設になり、その指導者によって主催事業や受け入れ事業の幅が広がっていくというものである。
また、学校週5日制の完全実施が至近の未来に迫っているが、その受け皿として最も適切であると考えられるのは、やはり“地域のリーダー”であろう。完全実施に向けて、計画的な指導者の養成や活動の場の提供を考えるとき、青年の家はこれに最も適した地域の機関であると考えられるし、積極的にその役割を演ずることが重要ではないだろうか。
?B学社融合の切り日
これからの生涯学習社会においては、学校と学校外の教育が相互の役割を分担するのみならず、双方の味を残しながらオーバーラップし、融合していくという形で青少年の教育に取り組んでいくことがより求められている。学校による青年の家の有効活用を実現するためには、青年の家がこれまでの枠にとらわれず、学校教育の中で活用しやすい活動プログラムを開発し、事業を展開していくことが必要であり、学校教育の側にも一定の理解を求めていくことも重要である。また、一方では学校教育関係者の理解を深めていくためには、教員を対象とした研修事業のさらなる充実が求められる。
また、大学や研究機関との連携も視野に入れていくべきである。青年の家と学校教育の関わりは、中学校・高校などが利用者に多いこともあり、とかくこの部分に目が行きがちであるが、様々な研究や社会教育実習生の受け入れなどを通じて、大学・研究所とより多くの場面で学社融合を進めていくことが必要であろう。
人生80年の時代を迎えた今、学校教育の10数年間だけで人間の評価が定まるような社会のありかたが大きな批判にさらされているが、青年の家は学校教育の内容に配慮しつつ、それとは異なったやり方で教育改革の一翼を担っていく施設として時代の要請に応えていくことが必要であり、また、生涯学習の観点から、積極的に新たなプログラムや事業を展開していくことも重要な使命であろう。
2. 「生きている施設」のための5つの条件
これからの青年の家で重要な視点となるのは、施設の機能(ハードのみならずソフトも)が今に適合しているかということいである。確実に趣向が多様化した青年が、いろいろな思い出を自由な雰囲気で、それぞれの活動の中から、社会性や生きる力を見いだすことのできる場所が青年の家であると、納得できる仕掛けを必要とするのである。そのための施設のあり方を次の5つの観点からまとめてみた。
?@自然環境条件
青年の家の多くは自然環境の豊かな所に立地
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